スコッチウイスキーの6大生産地の1つで、「スコッチウイスキーの聖地」。
交通の便の悪さにもかかわらず、多くのスコッチウイスキーファンが訪れます。
この島はスコッチウイスキー生産地のエリア分けにおいて、あえて他の諸島とまとめずアイラ島だけで区分されます。
それだけ強い存在感を放っている島なのです。
立地・地形

スコットランドの南東に浮かぶ島。
スコットランドの西側に並ぶヘブリディーズ諸島の最南端に位置します。
面積約600平方メートル(東京23区と同じくらい)の中に知名度の高い蒸留所が複数稼働しているさまは、まさにウイスキーの島と呼ぶのにふさわしいでしょう。
ほとんどの蒸留所が海沿いに位置しており、強い潮風にさらされる環境に身を置いています。
島全体がピート(泥炭)で覆われており、そのことがアイラ島のウイスキーに独特の個性を与えるのです。
ピートは植物やコケ、海藻などが長い年月をかけて堆積し、炭化したものです。
それを湿地から切り出し、乾燥させることで燃料として使える状態になります。
複数の要因によってアイラ島には木が少ないため、燃料としてのピートはウイスキー造り以外でも使われています。

アイラ島のウイスキーの特徴
アイラ島のウイスキーの風味には、特徴があります。
- ヨード香
ヨードチンキの匂いなどと表現される、まるで正露丸のような香り - 薬品臭
クレゾールのような薬品臭 - スモーキー
燻製のような香ばしい香り - ピーティー
ピート(泥炭)由来の土や湿地を思わせる香り - 磯の香り
海を感じる潮の香り
麦芽の乾燥
ウイスキーの原料である麦芽。
これを乾燥させる際にピートを焚き込むことで、上記のようなフレーバーが麦芽に付くのです。
アイラ島のピートは海藻類を多く含むため、独特のヨード香、薬品臭が強くなります。
水質

島全体がピートに覆われているということは、アイラ島を流れる川の水にピートの成分が溶けだしているという事でもあります。
事実アイラ島の水は、まるで麦茶のような茶色をしています。
そして、ウイスキーは仕込みの段階で大量の水を使用します。
つまりアイラ島のウイスキーは、その原料となる水の性質によってもピーティーさやヨード香が与えられているのです。
潮風
スコッチウイスキーを名乗るには、最低でも3年間は倉庫で熟成させる必要があります。
熟成の際にウイスキーに大きな影響を与えるのが、周りの環境。
アイラ島の場合は、海から受ける潮風です。
熟成を行う貯蔵庫はつねに潮風を浴びている状態であるため、この環境で保管されたウイスキーは潮っぽい磯の香りをまとうのです。

幻のウイスキー・ポートエレン
1825年から1983年まで続いたアイラ島のポートエレン蒸留所。(1929年〜1930年にかけて、いったん閉鎖)
高い品質と独特の味わいを誇るものの、ブレンデッドウイスキー用の原酒として使われることが多かったため認知度は高くありませんでした。
1980年代の世界的なウイスキー需要の低迷など複数の要因から、1983年にポートエレン蒸留所は閉鎖に追い込まれます。
その後、1990年代になると、世界的なシングルモルトウイスキーのブームが訪れます。
皮肉なことですが、閉鎖された蒸留所に残された原酒は「希少な在庫」となりました。
そのような経緯から、もともと品質に定評のあったポートエレンの価値も急上昇。
ポートエレンのシングルモルトウイスキーは、「幻のウイスキー」と呼ばれるほどにその価値を高めたのです。
今でも市場には希少なポートエレンが出回っており、その人気は衰えることを知りません。
軽く調べてみましたが、安いものでも10万円を超えていますね…
お高いものとなると…
ちょっと手が出ませんね(^_^;)
その後、2024年にポートエレン蒸留所が再稼働されました。
とはいえ、スコッチウイスキーの製造から販売までには、早くても数年の熟成期間を要します。
また、当然ですが一定以上の品質を担保する必要性がありますし、実験的な設備も導入されているという事なので、正確な販売開始時期は不明です。
閉鎖から再開までに40年以上の月日が流れ、失われた知見や技術も多いことでしょう。
風味の再現ができるかどうかも分からない状態でしょうが、飲み手としては気長に応援したいものです。
まとめ

アイラ島のスコッチウイスキーは、個性派ぞろいで特徴的であることを紹介しました。
その特徴を聞くと近寄りがたいように思われますが、その独特の風味は不思議と私たちを惹きつけます。
今後は個別の銘柄も紹介していこうと思いますので、よろしければお楽しみください。
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